ずんのブログ

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【書評】夫のちんぽが入らない/こだま

登録しているaudiobookで聴き放題の作品に入っていたので、朝のランニングがてら聞いてみました。タイトル的におちゃらけ系のエッセイかと思いきや、著書こだまさんの人生、苦悩、葛藤が素直な言葉で書かれており不思議な読後感のある作品でした。

 

主人公のこだまさんは、北海道のど田舎に3姉妹の長女として生まれます。

大学進学を機に「こんな田舎を離れてやる!」と東北の大学に進学した彼女、新しい住まい(荘)に入居した途端、遠慮なく?自分の部屋に転がり込んできてカラーボックスを作ってくれたり、冷蔵庫のお茶を買ってに飲む男。それが、のちに彼女の夫になる人でした。

お互いの時間を大事にしながらも、仲を深め合っていく2人は自然と結婚に至ります。穏やかで幸せそうに見える2人には、とある秘密が・・・それが本書のタイトルです。

ジョンソンのオイルを塗ってみたり、色々と試行錯誤をしますが結局はダメ。

教員として働く2人には大きなストレスがかかり、著者も旦那さんも病気に・・。一時期は子供を作るために投薬を止めたり努力はするものの、最終的には子供を作らずに生きる選択をし、本書はそこまでで終わっています。

 

ち●ぽが入らないのは、男女双方に原因があるのだと思いますが、こだまさんは母親の影響(小さい頃から起こりまくり、不機嫌になりまくり)も受け、自分を責め続けます。そのメンタリティは、教員をしている学校の生活にも影響を及ぼし、学級崩壊を引き起こしている少女のことも、自分がもっと力があれば、とか、これは大人の都合の良い考え方なんじゃないか?とか、自問自答を繰り返すあまり、病気になってしまいます。

メンタル・心の病気で病んでしまう方はたくさんいらっしゃいますが、そういった人たちの「心の声」が聞こえるようで、胸が苦しくなるような、一方でそんなに自分ばっかり責めなくても、と思ってしまう記述でした。

そういった人たちの理解を深めるにも、参考になる1冊かと思います。