【書評】大人のための国語ゼミ/野矢茂樹
高校の現代文のテストと大学入試以来、国語の問題って解いた記憶ってないっすね・・。
・”これ”が指すものは何か
・著者の主張を以下の中から選べ
・かっこ内に適切な接続詞を入れよ・・・etc
社会人になると、そんな問題を解いたりすることもないわけですが、技術系・事務系問わず、「わかりやすい文章、わかってもらえる文章」を書くスキルというのは、多くの人にとって必須のスキルになります。そんな訓練に使えるのが本書。
といっても、一回通読すれば劇的に能力が上がりますよ!というものではなく、池上彰さんの出されている通り、継続的な頭を悩ませ、相手のことを徹底的に考える訓練が必須なわけですが・・笑。そのとっかかりにもってこいです。
例:あなたは外人の女性と知り合いました、お祭りについて教えてと言われました。どうやって説明しますか?
自分は思わず考え込んでしまいました・・・笑
神社の参道で、定期的に開催されることはわかる。でも、なんのためにするのか、お神輿ってなんで担ぐのか。ちょっと広げると、狛犬ってなんだ、とか、日本人ってお寺も神社もお参りするけどなんでだ、とか・・。疑問は数珠つなぎに広がっていくんですね。
本書で面白いなと思ったのは、「文章を読むときの質問の出し方」まで指南してくれているところ。わからないことを聞くのは、読者・聴衆の権利であるし、書く側・話す側はそれに答える義務がある。だから、遠慮しないで聞くべき。
また、文書や話を木に例えると、幹と枝葉があり、幹に関連する質問がより良い質問と言えることなど、日常生活に応用できそうな示唆も得られます。
言われると、理解の仕方とか質問の仕方って教わらないですよね。
論理力を身に付けたい人、批判的に文章を読めるようになりたい人、おすすめです!