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【書評】インバスケット集中講義/鳥原隆志

昇格試験で実施されるインバスケット演習対策で購入。

正直、試験でより良い点を取ろうとか、試験の際に何か役立つ情報を得たい!という方には不向きな一冊かと。

バーチャルで行われる講義のある班のメンバーとして参加するという設定。実際の演習はなく、講師である島原先生と各メンバーのやりとりが会話形式で展開され、インバスケットで重要視される

優先順位をつける力

問題発見力

問題分析力

意思決定力

課題解決力

などに付いて、対話を通して理解を深めていくというもの。

試験に直結するでもなく、かつ全体的に漠然とした(よく言えば概念的な)記述に終始しており、実務の面でもすぐに適用できるようなスキルはあまりなし。

ちょっとターゲットがわかりづらい本でもあります。

 

インバスケットが実際にどんなものかを知りたい方は、著者の処女作を読むと良いでしょうし、実際に演習してスコアアップを目指したい方は、問題集は売られておりますので、そちらに取り組むべきかなと。

本屋のインバスケット関連書籍のコーナーに行くと、島原さんの本ばかりです。もちろん、アメリカの軍で使用されていた演習を、普通のビジネスマンのトレーニングとして教材化し、ここまで一般化、商業ベースに乗せた功績は素晴らしいことかと思いますが、ちょっと寡占状態になりつつあるのかなぁという個人的な印象です。

著者は通販で教材、問題集の販売も行っていますが、結構なお値段・・。

 

このような書き方をしてしまうと、インバスケット演習自体が悪徳業のように聞こえてしまうかもしれませんが、そういう意図ではありません。

むしろ、社会人になって「考え方のプロセス」をきちんと評価するツールがあることは非常に喜ばしいことですし、実際に演習に取り組まれた方は分かると思いますが、実務にも直結する頭の使い方の訓練にもなります。管理職、と言わずにもっと早期に業務を効率よく進めるトレーニング教材としてはもってこいかという個人的な感想です。

 

インバスケット集中講義

インバスケット集中講義