ずんのブログ

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【書評】ワセダ三畳漂流記/高野秀介

「〇〇荘」というと、貧乏人の巣窟的なイメージがまとわりつくようになってしまった今日この頃。知人の6畳1Kのアパートに「メゾン・ド・〇〇」とやら大層な名前が付いているのにも違和感を感じずにはいられない私めでございます。

ノンフィクション作家で面白作品を多数執筆している、高野秀行さんの大学時代から社会人になるまで過ごした野々村荘での出来事を綴った作品です。 このご時世、家賃2万以下で東京に住めるってねぇ・・笑

予想を裏切らず、笑いのオンパレードでございました。”読書”といって身構えてしまうと、何か知恵をつけねば、とな、何か有益な情報を得よう!いう姿勢になってしまいますが、ユーモラスで文章が上手な人の文を、ただ読むというのも良いものですよね。

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

 

 ・住民ももちろん、大家さんも浮世離れしており、言動が常軌を逸している。以前、会社で他室部の方が私らのいる部署に対して「珍獣猛獣の集合体」と的確な言葉でお褒め?いただいたことがあったが、本書における野々村荘住民も奇人変人だらけ。

・風呂代削減の意味も含めてプール通いを極め、小さな水泳大会に出るも残念な結果に。飛び込みでゴーグルがずれることを、水泳用語で「モモる」というらしい。桃屋のCMに出てくるおっさんのメガネがずれているからというしょーもないことが語源らしい。

・プロレス、薬物、投資。ビンボーだとしても、1つのことに全力を注げる人は、はたから見ると変人扱いされても当人としては幸せなのかもしれない。

・薬物はやっぱり危険。気になる方はチョウセンアサガオとググってみるべし。

・薬物にトライしてみたり、占いで稼ごうとしてみたり、著者本人も十二分に変わり者。変わり者の書く文章だから自動的に変わった文章になる。それが面白い。

 

高野ワールドに誘われたい方、チャレンジあれ 笑