【書評】モリー先生との火曜日
以前読んだ本ですが、部屋の整理中にふと目にとまったので再読してみました。
タイトルをみて「??」と感じた方もおられるかもしれませんが、英語版のタイトルが
Tuesdays with Morrie
なので、ほぼ直訳ですね。
内容は、大学の教授モリーが、昔の生徒だった著者ミッチアルボムと死を直前にして色々と語り合った記録になっています。
モリー先生は最近ではよく耳にするようになったALSという病気に罹患しています。下半身から徐々に動かなくなり、最終的には死に至るという悲劇のような病気ですが、不思議なことにあまりモリー先生は悲劇のヒーローを演じているようには見えず、むしろ活き活きとしているようにさえ感じられる。
相談内容は漠然としているものが多いですが、死、結婚、愛などどれもすぐに答えがでないものの、誰もが関わるテーマばかり。和訳の関係もあってか、すこしモリー先生の発言の意図を汲み取るのに苦慮する部分もありますが、どれも含蓄のある深い言葉ばかりで、折をみて思い出したいセリフばかりでした。
どのコメントにも共通する要素の一つは、
「本当に大事なものを見極める努力をせよ」
ということです。日々忙しく立ち回ったふりをしているが、あなたの人生のうち、それって本当に大事なこと?大事なことから目をそむけるために、忙しいふりしてない?もうモリー先生はこの世にはいませんが、どこか優しい目でそう問われているような気がします。