【書評】【トレラン】トレイルランナー鏑木毅/鏑木毅
4年程前に健康目的で始めたランニング。
いつしか10kmの大会に出場するようになり、昨年はフルマラソンを完走するに至った。フルのタイムは3時間30分とまだ満足のいく結果を得られているわけではないけれども、目標としているサブスリーを目指し(そこまでストイックに追い込んではいないが)日々トレーニングをする日々が続いている。
そんな中、現職場の先輩の紹介で出会った「トレイルランニング」。文字通り、山道などのトレイルをランニングする競技であるが、コレが意外と奥が深い。
トレイルといえどもランニングでしょ?じゃあ走るの速い人が有利じゃん!
とうっすら思っていたが、実際やってみるとマラソンとは別な競技。これは、走る場所に限らず、カラダの使い方という面でも、心拍数が乱高下しやすかったり、長距離レースは特に筋肉へのダメージを考えながら走る必要があるという点でもそう言える。
本書は日本をトレラン界を代表するランナーの一人、鏑木毅さんの
・モンブランのレースの感想
・生い立ち
・日々の練習方法、考え方
等をまとめたものである。125ページと薄いこともあり、一気に読了。
意外だった点は、トレイルにであうまでやっていた陸上界ではそれほど著名な選手ではなかったということ。なんかイメージ的に陸上長距離界でも大活躍した人がトレイルに場を移し、そちらでも大活躍というストーリーを思い描いていたが・・。
走ることが好きではあったものの、それほどよい成績を残す程の選手ではなかったこと、そして大学時代もかなり練習に打ち込んだが怪我に泣いていたこと。
おそらくそういう経験があったからこそ、本の中でも悪戯に自分を追い込んでタイムを縮めましょう!というような雰囲気がでないのであろう。むしろ、いかに楽しんではしるか、自然とどう関わっていくかという競技というより哲学的な話が目立つ。
以下、練習方法等についてのメモ
(1)ロードとトレランの違い・日々の練習方法
ア)垂直方向への意識
階段を一段飛ばしで駆け足で上がる。一歩一歩を真っ直ぐ出し、太ももの内側と裏側に負荷がかかっていることを意識する。
空気椅子。1分間姿勢の維持を5〜10セット/日こなすべし
イ)特殊な心肺機能の使い方
180ー年齢+10を一分間の基準心拍数とし、この状態で90分以上のランニングを練習に取り入れる。
ウ)下りの技術(筋肉へのダメージ)
(2)具体的な練習例(上級者)
月 水泳またはスロージョグ60分
火 階段ダッシュ800m(累積標高)
水 ジョギング90分
木 ランニング(ミドル)もしくは階段90分
金 水泳またはスロージョグ60分
土 トレイルもしくは起伏走120分
日 ジョグ120分以上または自転車90分以上
おそらく仕事をしている一般の社会人がすべてをこなすのはかなり困難かと・・。でもひとつの参考までに。いままで水泳はしていなかったが、本書の中でも有効なトレーニングとしてしょうかいされているので、早速取り入れることにしよう。