【書評】再読:極限力
最近、徐々に浸透し始めている(ような気がしてる)山岳ランニングなりトレイルランニングという言葉。実は山岳ランニングの中でも色々と競技が細分化されていて、スカイランニングなりVK(バーティカルキロメーター)なり、それぞれに得意とする選手がおります。
それらを含めた山岳レースの日本のトップアスリート16名を取り上げ、生い立ちなり強さの秘訣を探ろうというのが本書。再読でございますが興味深く読めました。
自分も市民ランナーで、年に1回はフルマラソンを走っています。なんとか3時間半を切れるペースで走れるようにはなったものの、サブスリーなんでまだまだハードルが高いと感じてます。余談ですが、大会に出場してスタート後、「苦しい。なんで申し込んだんだ過去の俺!」となるのは鉄板パターンでございます。でも、ゴール後の達成感なり自分に勝った感がなんとも言えず、日々のトレーニングなり大会出場を続けている次第でございます。
昨年は安達太良トレイルという山岳レース(約50km)に挑戦しました。
フルマラソンを凌駕するキツさで、ゴールまでに要した時間はなんと13時間。喉乾いたなとか足痛えなこの野郎(?)とか悶々としながら野山を13時間動き回り続けるという、狂気の沙汰。
普通のマラソンに比べると認知度が低いですが、世界的に見ても日本のレベルはそれなりに高く、国際レースでも活躍している方も収められています。
競技の性質上か、あまりライバルの話や他人に勝ちたいという欲求を口にしている人が少ないのが面白いところで、皆、自分に勝つには・自分がより達成感を得るには、というのを問いかけながらトレーニングしたり大会に出場したりしています。
TJAP:トランスジャパンアルプスレースという富山県から静岡県まで日本アルプスを乗り越えて走るという常人が思いつかないようなレースがありますが、そこで伝説的な記録を残し続ける望月選手も、連覇を成し遂げた後に立ち返り、すべての荷物を自分で背負って走るというルール以上の物を自分に課して完走しています。
誰に言われるでもなく、自分のため。
また、選手全員「限界」というものの捉え方に共通するものがあることも面白いです。
コロナでなかなか動き回れませんが、収束した時に鬱憤を爆発させるモチベーションにぜひ!