ずんのブログ

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【書評】逆転のメソッド・勝ち続ける理由/原晋

今や年始の恒例行事となっている箱根駅伝

ラソン・駅伝ファンならずともご覧になられた方も多いのではないでしょうか。自分は今、趣味でマラソンをしているので、「スゲーなぁ」なんて思いながら見ているのですが、母校の順位であったり、純粋に箱根に向けて年単位で準備をしてきた選手、そしてそれを取り巻く人々など、毎年ドラマがあり楽しませてもらっています。

 

駅伝の中で、最近目を引くのはやはり青山学院大学の強さかと。

昨年は東洋大学に阻まれたものの、2015年からは優勝と続けている化け物チームです。これだけの長い期間、チームの力を維持できる秘密は何か、そして原監督とはどんな人物でどんな考えを持っているのか。

それを知りたく、下記の2冊を読んでみました。

どちらも平易な文章で書かれており、サクッと読めます。

逆転のメソッドの方は、原監督の幼少時代からの今までのことが書かれており、自伝的な内容になっています。もう一冊の勝ち続ける理由は、組織のあり方であったり原監督の考え方が中心となっています。

 

広島県生まれの原監督、今では駅伝の強豪となった世羅高校の出身だそう。ご本人全国クラスの長距離の選手だったようで、その中国電力に陸上部が創立されるという関係から、無事?入社。しかしながら、怪我により5年間の競技生活にピリオドを打ち、会社員(営業マン)として生活を送ります。

営業マンとしての成績も素晴らしかったようで、伝説と化しているとか。そんな中、ちょうど青山学院で陸上の指導者を探していることを耳にし、自らプランを説明、今に至ります。

 

逆転のメソッドの方に詳しく書かれていますが、陸上に限らず、原監督の根底を流れる考え方というのはブレずに明快です。

問題点・解決すべき課題を見つけて、きちんと言語化する。そして、それらを解決するにはどうしたら良いかを徹底的に考える。解決策を淡々と実行する。

営業マンとして仕事をしている際にも、どこに営業をかけるべきか?(例えば、会社の一担当に「高性能PCを導入しましょう!」と提案しても効果は薄いですよね。そういった観点から、どこにアタックすべきなのかを入念に下調べしています。)、そして、こちらの提案を受け入れてもらうにはどうしたら良いか、を考える。

当たり前のことなのかもしれませんが、日々の業務を考え見ると、目の前のことに終われ、そういった大局観がなくっている方(自分も・・)、多いですよね。

 

組織の指導で特に印象的だったのが、目標管理シートにより、すべきことと目標を言語化し、それをミーティングによりシェアしているシステム。

目標をきちんと言語化することにより、到達点がはっきりする&それに向けてやらなければならないことがブレークダウンすることによって明確になる=日々、やらねばならないルーティン・練習が決まる。それを選手たちに徹底的に叩き込んでいるようです。

また、それらのシートを使って自分の考えを「言葉にして他人にわかるように伝える」ためのミーティングも頻繁に実施しているようです。優勝インタビューを見ていても、受け答えがしっかりしている印象があったのですが、これらの日々の積み重ねなのかもしれませんね。

2冊目の勝ち続ける理由の方に詳細が書かれていますが、日本の陸上界(特に長距離)にも問題点を持っていて、それらへの提言が収められています。東京オリンピックのマラソンの選手の選抜方法始め、あまり基準が明確化していなかったり、日本のお家芸の一つということで、旧態依然とした体質があることがなんとなく自分の感覚にもありましたが、本書では原監督の考える解決策も述べられており、ぜひ選抜する側の人にも見てもらいたい内容になっています。