【書評】栄養で人生は変わる 那須由起子
単なる栄養学の教科書かと思いきや、栄養学の初歩から、著者の管理栄養士としての経験から得た仮説、そして読者の生活において栄養の面で注意する点などがコンパクトにまとめられている良書でした。
著者の管理栄養士としての経験からの持論はいたってシンプル。
”好き嫌いなく栄養をバランスよく摂取している人は人生がうまくいっているし、偏食な人はうまくいっていない”
というもの。その理由は、
・脳みそは多くの栄養(体全体の20%程度)を使う。
・栄養は単体では働かず、摂取した最低量の栄養に合わせて体内で活用される。
・すなわち、偏食があり栄養が偏っていると、脳みそに十分な栄養が行き届かない
・脳の働きが不十分になる→認知機能や性格へも影響
というもの。
栄養が性格に与える影響ってこれまであまり論じられていないような気がしますが、確かに今までの人生を振り返ってみても、あまりに強い偏食の知人・友人は性格的に変わり者(性格が悪い、というわけではなく)が多かったような・・・笑
長期休み明けの学生の自殺の急増やうつ病や精神疾患への栄養学的な面からの低減もあり、定量的にどれだけ性格と栄養がリンクしているかは今後の研究に任せてたいところですが、相関関係を調べてみる価値はあるかも。
もしかすると、運動や薬や●●療法とは違ったアプローチによる解決法が見つかるかもしれませんね。
個人の性格で留意すべき点への提言もいたってシンプルで
”バランスよく!”
ただ、これだけ 笑
・たんぱく質はアミノ酸スコア(必須アミノ酸が含まれているか)をチェックしながら、動物性、植物性をバランスよく摂取すべし
・不足しがちな栄養素(食物繊維)はサプリで補助
・1日単位でバランスが取れるように調節をすべし
巻末に、食事で摂取すべき品目のシンプルなチェックリストもついています。
栄養学に興味を持ち始めた人にはすごくおすすめです!