【映画】グリーンブック
前評判通りの良作でした。
時は黒人差別が根強く残るアメリカ。天才的な音楽の才能を持つ黒人ドン・シャーリーと、ひょんなことから彼のツアーの運転手になったトニー・リップ(バレロンガ)を描いた、実話に基づいた映画(冒頭に、Inspirated by true storyとあり。日本語の直訳だと、based on truthとかになりそうなイメージですが、真実の物語true storyに触発されて、なんてのがなんとなくオシャレですね)。
教養もあり、真面目一徹のシャーリーに対し、勢いとまやかしで生きていきたワイルドなトニー。
正反対とも言える彼ら2人。そもそもトニーは黒人嫌いと言う最悪なスタートだったものの、お互いに長い時間を共有していくうちに理解が深まり、かけがえのない相棒となっていきます。最初はあんなに黒人を嫌っていたトニーですが、最終的にはシャーリーに差別をした白人に本気で怒ったり、一体彼を変えたものはなんだったのかは本編に譲るとします。
真面目一辺倒ではなく、上品な育ちで手でケンタッキーフライドチキンなんて食べたことのなかったシャーリーにトニーが無理に進めるシーンなんて、クスッときます。
教科書で、南北戦争の話やアパルトヘイト、黒人解放運動のことは文字面ではわかったような気がしてしまいますが、マクロの視点で見ると、黒人差別の撤廃がどれだけハードルが高かったのか、そしてその歴史的な価値がどれだけのものか、感情を交えて理解できます。そう言う観点で言うと、多少偏ってはしまうかもしれませんが、良い教材ではないかと思います。
もちろん、純粋に映画を楽しみたい方にもオススメです!