ずんのブログ

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【書評】ミライの授業 瀧本哲史

京都大学の准教授である著者が、日本の各地で中学生に向けて行った講演の内容をまとめた本。本自体む中学生向けに作られており(14歳)難しい漢字にはふりがなが振られており、かつ字も大きめなのでサクサク読めますが、大人が読んでも楽しめる一冊なので、紹介させていただきます。

タイトルから推察できるかもしれませんが、内容としては未来を担う中学生に偉人のエピソードを紹介しつつ、彼らが「偉人たる所以」をエッセンスとして抽出し、教えるという内容。ニュートンを始め、最近ノーベル賞を受賞し有名になった大村智さんまで、業界問わずで紹介されていて、興味をそそられます。

ただの偉人の伝記にとどまらず、彼・彼女らが成功できた理由、逆に才能に恵まれつつも失敗してしまった事例も紹介し、若い人たちが未来を生きる上で気をつけるべき点についても注意喚起を図っています。

 

個人的に面白かったのは、ナイチンゲール

イメージで過酷な環境に自ら飛び込んで、たくさんの戦争負傷者の手当をし、命を救った白衣の天使だと思ってましたが、それは彼女の本の一面を写しているにすぎません。もっと大きな功績は、戦死者の死因を冷静に統計を用いて分析し、戦争の負傷よりも環境が悪いことが死者数増加につながることを証明し、国を動かしたこと。

目の前の患者を直接手当し、命を救うことも尊い行為なことに違いありませんが、結果として彼女はより多くの人を救うことになりました。当時、看護師という職業を蔑むような空気があったことも知りませんでした。

で、こういった紹介で終わってしまっては「この人すごいなぁ」で終わってしまいますが、本書の優れた点は、そのエピソードから「成功の本質」を抜き出してわかりやすく説明してくれていること。

ナイチンゲールの例で言えば、冷静に死因を分析し、統計を駆使して国まで動かした点。目の前のことにとらわれず、ちょっとした疑問でも突き詰めて、結果国まで動かしたことが着目すべき点ですね。

子供に限らず、大人にもオススメです!変な自己啓発本より、本書の方が・・笑

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