ずんのブログ

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【書評】読書という荒野/見城徹

以前、テレビで著者の生活の一部が取り上げられてて、「幻冬社の社長ってこんな破天荒な人なのか。。」と思った記憶があります。今回、家の近くの丸善をぶらついていたら、その見城氏がこっちを睨みつけるような表紙をした書籍を発見。思わず手に取りパラパラと中身をみたらなかなか興味深そうな読書論だったので、購入してみました。結論からいうと、あのテレビで見た見城氏の生きるスタイルにも繋がる読書の方法、そして彼が編集者として関わってきた数多の有名作家とのやりとりが生々しく描かれていて、思わず一気に読んでしまいました。

記載の仕方も端的に思い・考えを貫いていて、余計な装飾がありません。彼自身が相当な読書化であること、そして言葉を大事にしていることが伝わってきました。以下、個人的に刺さった部分をピックアップしてみます。参考まで。

・自己検証、自己嫌悪、自己否定の3つがなければ、人間は進歩しない。自己検証とは、自分の思考や行動を客観的に見直し、修正すること。自己嫌悪とh、自意識過剰さや自己顕示欲を恥じ、自分の狡さや狭量さ、怠惰さに苛立つこと。そしてじこひていとは、自己満足を排し、成長していない自分や自分が拠って立つ場所を否定し、新たな自分を手に入れることだ。

・大きな勝負に出るときや、不可能だと思われることに挑戦するときには、かならず「転位のための十扁」を読み返す。いや、この40年間「転位のための十扁」だけは、週に1回は読み返す。

・僕は人と会うときは、常に刺激的で新しい発見のある話、相手が思わず引き込まれるような話をしなければいけないと思っている。たとえ30分でも僕と会った人には、「見城さんって、何度でもあいたくなる面白い人だね。」と言われなければ、絶対に嫌なのだ。

・人がねているときに眠らないこと、人が休んでいるときに休まないこと。どこから始めていいかわからない、手がつけれれないくらい膨大な仕事を一つ一つ片付けて全部やりきること。それが圧倒的努力だ。

そのほかにも、他社に寄稿していた五木寛之を振り向かせるために、現行のものも含めて全ての著作に目を通し、感想を手紙にして送っていたり、やることが振り切れていて、パワーにあふれたエピソードが多数。

やるなら極端にやりきれ

それが、著者が著者が伝えたいメッセージの一つです。

 

社会的にこんなに成功している人間が、67歳にもなってこれほどまでに苦しみ、つらいおもいをしながら生きていることに、ある種感動さえ覚えました。どこか、若いうちに成功して富を得、あとは悠々自適にのんびり暮らすことが成功かというような風潮がありますが、個人的にその考えも分からなくもないけど、それでいいものかという思いも持っていました。同時に、ポジティブであることや明るくあるべきだ、という風潮もどこか自分は受け入れきれない部分があったので、著者の考えに全てとは言わないまでも、同調します。ここまで激烈な人生は歩めないかもしれませんが・・

 

読書を血肉化するとはどういうことか、また、ポジティブ至上主義に少なからず疑問を抱いているひとは是非いちど手に取ってみてください。

 

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