ずんのブログ

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わらび座 ジパング青春期 感想

会社の方から標記のチケットを譲り受けたので、見に行って来ました。

劇団わらび座の「ジバング青春期」。

かなり久々のミュージカル(舞台)の鑑賞でしたが、終わってみるとかなり面白かったです。2時間近くの公園でしたが、あっと言う間に終わった感じでした。

 

時は1600年頃。1611年の慶長の津波三陸地方沿岸は大きな被害を受けます。主人公は、宮城石巻に住むリュウタという男の子。

津波で被害を受けた石巻の人々に、藩主伊達政宗は理由も告げずに山の木を1000本切り出すよう命じます。しかし、時期は厳冬期。さらに携わる人々は津波で家族を失ったり、財産を失った人ばかり。進捗がでるはずもありません。果ては、「政宗の道楽用の船のための木」とまで噂が流れる始末。

リュウタは山を越えて干物を売りにいっていたため、津波から逃れることができましたが、残念な事に大切な姉を亡くしてしまいます。家族を亡くし、目的もよくわからないきつい仕事をやらされるリュウタは遂に指示を出すお侍さんに歯向かってしまい、ひどい暴行を受けます。それを見て助けの手を差し伸べてくれたのが、後に親友になるミゲルでした。

時が経ち、ついに木材の使い道が明かされます。それは、メキシコとスペインに遣欧使節のための巨大な船なのでした。家康が海外から使いを寄こすよう要請をうけていたにも関わらず、放置していたことにしびれを切らした政宗が、独断で動いていたのでした(最終的には許可をもらいます)。

姉を失い、自暴自棄になっていたリュウタでしたが、完成した船、サン・ファン・バウティスタ号を見て、どうしても乗りたい!という衝動に駆られます。しかし、船員はいっぱい。もちろん断られるわけですが、そこで手を貸してくれたのはミゲルでした。

政宗に直談判の末、なんと乗船を許可されます。政宗の「財宝を載せても(リュウタという)夢を乗せ忘れて海外に行ったところで何になる!」というセリフが熱い。

キャプテンの支倉常長、親友のミゲル、ミゲルのお師匠ビスカイノと共に、メキシコへ。その後はいかに・・・。

といったストーリー。

 

1611年の慶長の大津波サン・ファン・バウティスタ号(現在は観光施設になっています)も支倉常長も名前はしってましたが、それらの繋がりがイメージできたのも個人的にはありがたかったです。

途中でミゲルが「サン・ファン・バウティスタ号なんて名前じゃなくて、伊達政宗号にすべきだ!」なんてセリフもありましたが、ハッとさせられました。確かに、なんで政宗と宮城の人が一生懸命作ったのにそれらと全く関係のない名前にしてしまったのか。色々と政治的は背景もあったのでしょうが、残念な気もします。以前テレビ番組で外国人が「なぜ日本人は自分たちの言葉じゃなくて英語の書かれたTシャツばかり着てるんだ」と半分おもしろ発言をしていたことを思い出しました。

もちろん、海外の文化や言語をすべて排除することが良いこととは思っていませんし、日本に住む海外の人が増えたりすることに伴い、英語の表記が増えることは利便性の面からいっても良いことだと思います。ただ、卑屈になったり海外至上主義になったりせず、日本のここは良い!日本語のここが素晴らしい!と主張すべきところはすることが大事なのかと。そのためには、知識も必要なんでしょうが。

 

そんなことを考えたミュージカルでした。決して安い金額ではありませんが、見て損はありません。オススメ!

www.warabi.jp