ずんのブログ

新潟県関連、趣味やお店情報、そして雑感

【映画】ヴェロニカ・ゲリン

実話に基づいた映画。

 

主人公はアイルランド在住の女性新聞記者、ヴェロニカ。彼女はダブリンで子供を含めた多くの人間が麻薬に手を出している実状を目にし、その実態を暴こうと巨大組織の中枢へと取材をして回る。途中、組織の人間にぶん殴られたり、銃で打たれたり、子供を誘拐すると脅しを受けたりと様々な嫌がらせが続くが、彼女は決してそれに屈することなく、真相の究明のために日夜奔走する。

徐々にメディアを通して組織の実態を暴いていく彼女であったが、車で信号待ちをしている時に組織絡みの人間から至近距離で6発の銃弾を浴び、ついには命を落としてしまう。生前から露出していた彼女の殉職は世間的に大きな話題を呼び、最終的には彼女の願いであった組織の実態解明と関係者の逮捕、憲法の改正にまで至ったのであった。

 

・真実のために戦うのは私の義務よ

・私が怯えていたことはだれにも言わないで。彼らの一番望んでいることだから

 (※組織の人間にボコボコにされた後に夫に向かって放った一言)

超人的な精神力を持ったスーパーウーマンではなく、恐怖や家族への思いもある中で揺れ動く彼女が丁寧に描かれている作品です。主演のケイト・ブランシェットは生前の彼女を徹底的に研究したそうな。

 

それにしてもふと思うのは、何が彼女をそこまで突き動かしたのか?ということ。少し前にも法人がISに殺害されて大きな話題となりました。

本作の主人公ヴェロニカもですが、恐らく多くのジャーナリストは足を突っ込むと危険であることを承知で実態解明を試みようとしています。しかし、解明には自分の命、場合によっては周囲の人々にまで影響が及ぶ可能性もあり、今でも毎年多くのジャーナリストが殉職しているという現実があります。

ジャーナリストとして純粋に真相を追い求めたいという正義感、義務感以上のものがないと、これほど大きな代償を払ってまで活動はできないように思います。今すぐは答えは出てこないのでしょうが・・願わくは、本人が亡くなってから注目を浴び、世間が動くという順序じゃなく、亡くなってしまう前に適正に評価を受け、(場合によっては)世間が動くという世になればなぁというところです。

 

メディア関係の方は是非一度ご覧になってください。

 

www.amazon.co.jp