ずんのブログ

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【映画】明日、君がいない

本編を最後まで見終わった後、良くも悪くも「えっ!?」という驚きが待っていました。

 

舞台はオーストラリアにある高校。

主要な登場人物のメロディが、高校のある1室に異変を感じ取り、ドアを開けたら自殺している生徒がいた〜 そんなショッキングなところから物語はスタート。話は「その日」の朝まで巻き戻り、主要な登場人者男女6人の人物像を学生生活やインタビューを交えながら徐々に明らかにしながら進行していきます。

先天的に足の長さが異なり、排尿障害に苦しむメガネくん、ストレスでヤクに手を出しているゲイくん、本当はゲイなのにそれをひた隠しにし遊び人を演じるマッチョくん、弁護士を目指して良い学業成績ばかりを追い求めるガリ勉くん、そんなガリ勉くんにレイプをされて拒食症に陥っている妹、マッチョに恋心を寄せるギャル。

見る側としては、この6人の中のうち誰が自殺したのだろう?と犯人さがしをしながら鑑賞していたら(全員問題あり、だし)・・・

ネタバレですが、自殺を図ったのはこの6人ではなく、脇役であった「ケリー」というギャルの友人の女の子。正直、彼女は作中にもあんまり頻繁には出てこないため、一瞬「誰だっけ?」と思いました。それくらい存在感が薄いですし、恐らく監督もそれを意図して撮影したのだと思います。

ちなみにケリーはメガネくんに優しく声を掛けてあげたり、マッチョに対し淡い恋心を持っていたり、ギャルのグループに混じって話をしていたりというポジションが曖昧な存在です。

目立つ存在ではなく、問題はないけど居ても居なくてもよくわからない。そんな意図はないのかもしれませんし、勝手な思い込みなのかもしれませんが、何かこの映画にメッセージがあるとするのであれば、そのような目立たない存在にも目を向けるべき、ということなのかも。

 

ちなみに、ですが・・・

テレビ等でも何度も取り上げられる話なのでご存知の方もいるかもしれませんが、現在、日本での年間の自殺者数は約25,000人(平成26年度、警察庁)であり、世界的に見ても高い自殺率を維持しているようです。自分の知人・友人と話をしていても、身近な人が自殺したということをたまに聞いたりします。

「自殺するくらいの勇気があるのであれば、他のこともできるだろう」

「(何が死を選択する原因があったとして)逃げればいいのに」

なんて意見も耳にしたりしますし、言わんとしていることも分からなくもないのですが、きっとそうじゃないんですよね。

彼・彼女らは「他のこと」ができず、「逃げられない」から最終手段として自殺を選んでいるのでしょうから。現状、なにか自分ひとりで抜本的な改革ができるわけはないのでしょうが、身近な人だけでも、自分のアンテナを高くして見てあげられている人間になりたいものですね。

 

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